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国境なき大地(TSF)2004年公演実績
−TSFラオス米公演(2004年4月)−

1. ラオス公演

1.1 テーマ:One World Music in Laos

国際技術・経済交流および国際文化交流の融合を目指し、TSFおよび中南米3ケ国のNGOが主催者となり、国境なき大地に根ざした心の触れ合いを音楽公演とワークショップにより世界に発信する。

1.2 主催者 TSF、IV Japan(NGO)

1.3 後援:ラオス政府教育省・文化省、SSC、日本工営、国際サービス・エージェンシー

1.4 日本演記録(プロデューサーの日記より)

ここはアジアの田舎の静かなたたずまいを思わせる寺院が多い。  
メコン川は雨季には満々と水をたたえる大河であるが、この乾季には川底が露出し、ビエンチャンの人たちにとって格好の遊び場となる。大河のど真ん中で、学生や子供達が露出した台地の上でサッカーをしている。河川上流の山並みに消えていく赤い太陽は幻想的だ。
ビエンチャンは建設ラッシュ。外国企業が進出し、ラオスのタイ化、ヴィエトナム化は急激に進展。近未来には、“穏やかで優しさのあふれるラオス人の顔はないかもしれない”。

音楽大学にてリハーサル、ピアノは調律もできていない老朽化したものしかない。

今回のラオス公演は、音楽大学の学生との共演という試み。ラオスの伝統楽器はメロデイー楽器が多い。TSFのピアニスト川上は各奏者の演奏を聴いてから曲の構想をまとめ、リハーサルを繰り返す。3回のリハーサル後には皆の目が生き生きしてきた。  
音楽を学ぶ学生は各州から数名選抜され、この音楽専門学校に入る。しかし彼らの大半は音楽教育を受けたことが無く、国から音楽を学ぶよう能力に関係なく選抜された者達である。同じ社会主義国のキューバでは、生まれたときから幼児の才能を見極め、英才教育をしており、音楽家を育成する基盤の違いを感じる。

ラオス正月の水掛祭り。皆、真昼間からビール・酒を飲み、祭りに興じていた。政府は水掛禁止令を出したが伝統的慣習は変わらず、我々も彼らの輪の中に取り込まれ、着ていたものは上から下までびしょ濡れ。

リハーサルは一回でOK。共演する音大生たちは昨晩独習してきたのだった。「お金をやらないと練習しない」という人もいるが、考え方を覆すような出来事だ。

 

 

 

期待に胸をふくらませ、機内よりキューバを臨む
Viva, Cuba !

1.4 公演内容(ラオ・プラザ・ホテル)

音楽的な理由で一回だけの通し公演とした。楽器はキム(ヴィエトナム楽器で琴の小型のもの)、ラナート(木琴)、二胡、太鼓、ケーン(竹笛)。

招待客は教育省副大臣、計画局長・次長、ヴィエンチャン市教育局長、.文化情報省・国立芸術大学長、国立舞踊学校長などラオス文化の中枢を占める人物が多く穏やかな緊張感が漂っていた。共演は予想を覆す比較的高いレベルであった。民俗楽器演奏家達の目が生き生きと光り輝き、初めて体験する外国人演奏家との緊張と挑戦の共演となった。学長はこの共演形式に感動し、感謝の意を表明した。

ラオス人は、幼少期からしっかりしつけを受けており、共同で助け合いながら活動する(礼儀と和を重んじる、「サバイ・デイ(挨拶)」はその典型的な現象)。それは、音楽公演における演奏家達の一体感、チームワーク、忠誠心など、古き時代の日本の文化に良く似ている。人々の顔も、その人との対応の仕方も穏やかである。決して人前で相手を非難しない。農耕民族のよさを全て持っている。

2. 第2回中南米公演記録
  (2004年9月〜10月)

2.1 公演の趣旨

日本で注目されているトップアーティストとrテンアメリカ3カ国(ブラジル、アルゼンチン、キューバ)の民族音楽演奏家たちによる国境を越えた国際文化交流理念を目指した公演を行った。

2.2 公演概要 

  • 2.2.1 ブラジル
    サンパウロ市サントアマロ文化センター小ホール(サンパウロ市市制450周年記念行事の一環 於9月25日)
  • 2.2.2 アルゼンチン 
    ブエノスアイレス市 マルガリータ・ヒルグ劇場 (日本・アルゼンチンの経済交流促進につながる音楽を通じての文化交流 於9月30日)
  • 2.2.3 キューバ 
    ハバナ市アマデオ・ロルダン劇場大劇場 (日本・キューバ国交樹立75周年記念行事の一環 於10月15日)

2.3 公演主催者 

  • 日本側:(有)国境なき大地(TSF) 
  • 現地側:ブラジル:TSF現地代理人(二宮法律事務所) /アルゼンチン:TSF現地代理人 (OKITA財団) /キューバ:キューバ国文化省付属機関「コンサート音楽協会(Instituto Cubano de la Musica」 

2.4 協賛

  • 日本側:国際交流基金 
  • 現地側:ブラジル:サンパウロ市制450周年実行委員会、サントアマロ文化センター(Casa de Cultura de Santo Amaro)/アルゼンチン:経済団体/キューバ:在キューバ日本大使館

2.5 後援スポンサー

在キューバ日本大使館/国際交流基金/JICAアルゼンチン事務所/ANAサンパウロ支社/Blue Tree Hotel in Sao Paulo/Kempenski Hotel in Buenos Aires/尾崎エンタープライズ社/ヤマハ・アルゼンチン現地法人/キューバ・コンサート音楽協会/人力舎/TOYOTAアルゼンチン支社/システム科学コンサルタンツ株式会社(SSC)

2.6 公演の内容

  • 2.6.1 曲目
    全曲をピアニスト川上ミネが作曲・アレンジ・指揮し、その国の文化と民族による伝統音楽を考慮したオリジナル曲を演奏する。また、日本や公演国において馴染みの深い曲をアレンジした。
     
  • 2.6.2 ブラジル公演出演者
    川上ミネ(ピアノ)、沖仁(ギター)、ブラジル:サンパウロの民俗音楽の若手演奏家 Christian Galante / Gino Seracopi(パーカッション)Jorge Muller Veiga(サックス)
  • 2.6.3 アルゼンチン公演出演者
    川上ミネ(ピアノ)、沖仁(ギター)、現代のアルゼンチン・タンゴ第1人者ネストール・マルコニー(バンドネオン)、Facundo Ordonez(コントラバス)Pablo Engel/Roman Giudice(パーカッション)
  • 2.6.4 キューバ公演出演者
    川上ミネ(ピアノ)、世界最高のジャズピアニストであるチュチョ・バルデスとそのグループであるイラケレ、世界的なジャズ・サックス奏者であるセザールロペス(Cesar Lopez)とそのグループ

チューチョ・バルデスと
真剣なリハーサルの合間の和やかな一コマ

サックスのセザール・ロペスと

お世話になったミュージシャンを海苔巻きでおもてなし。
お箸はムズカシイ・・・?

 

2.7 公演記録
   (プロデューサーの日記より)

  • 2.7.1 ブラジル(9/22-9/27)

プログラムは、Fantasta、Variacao de una sonate de Mozart, Morizo to Kikkoro、Buleria, Como si Fuera una Cancion、 Sax/Fluta、Sao Paulo、Umi

  公演開催場所のサント・アマロ文化センターは100年ほど前にサンパウ市場の中心にあった建物を改造し、文化行事を行う小ホールとして使われている。出演は皆30代の若手演奏家達、公演を面白く楽しく盛り上げていく力を持った人たちだった。コミカルなパーカッションの掛け合いや動物の鳴き声などを取り込み、ジャングルの中にいるような演出。公演を聴きに来てくれた多くは白人系・黒人系の年配者達だった。

  出演者は彼らの笑顔に触発されて楽しみながら演奏。心の奥底からゆっくりと滲みだしてくる粘りのある演奏で、ポルトガルとアフリカの伝統音楽が混ざりあった音色であった。パーカッション奏者達は仁のフラメンコギターに合わせ、サンバ式スタイルでパルマによるリズムを刻んでいた。ミネのピアノが一段とパワーアップし、さらに自然界の音色をかもし出す美しい表現形式が冴えていた。スタンデイング・オベーション、拍手の渦へと盛り上がっていった。敬意と信頼と喜びを分かち合い、若い演奏者たちも年配の聴衆たちも心を解放しきったライブだった。ブラジルとの文化交流の扉が開かれた感じだった。

  • 2.7.2 アルゼンチン(9/27-10/01)

  サンパウロと違い、幹線道路も路幅は広く、建物も街の空間もゆったりしている。ヤマハのオフィスでリハーサル。プロデューサーは出発前の激務で体調を崩してしまったが、現地の受入体制が万全であり、ミュージシャン達に全て任せられる状況であった。

アルゼンチンNo.1のバンドネオン奏者ネストール・マルコニーを迎えての公演。

  川上の卓越したトークとピアノ、ギターなどで聴衆の呼吸が徐々に熱気を帯びてくる。笑い有り、感動有り、そして、ネストール・マルコニーが登場し、会場はその温かく包み込むような音色に酔った。パーカッション、コントラバスなどが徐々に加わり、彼らの若いエネルギーと、川上の力強いピアノ、沖の切れの良いギター、そして、マルコニーの豊かで夢を誘うような音色が一体となり、公演を締めくくった。スタンデイング・オベーション。アンコールの渦。やっと春を迎え紳士淑女が足早に歩く北欧風の街ブエノスの夜は感動と喜びに包まれた。

  • 2.7.3 キューバ・ハバナ(川上ミネ現地からの報告)

キューバ最高峰の劇場アマデオ・ロルダン劇場.
900席全席完売、通路も完全に埋まり、会場は凄い熱気。

 最初にチューチョがピアノを一曲弾いた後、「私が音楽家として、そして人間として敬意を払っているピアニストを紹介します」と言って、川上を舞台に迎える。

 ピアノソロ・トークを入れて徐々にメンバーを増やし、最後にチューチョと2台のピアノで演奏したが、最後の音を弾き終わると、チューチョは「素晴らしかった」と舞台で思い切り川上を抱きしめた。会場は総立ち、拍手とブラボーの嵐だった。

 国営テレビは中継車を出し、演奏会終了後には国営テレビのインタビュー、グランマ(キューバの有力誌)、読売新聞などからも取材あり。キューバ音楽協会の幹部や在キューバ日本大使岩田氏御夫妻も駆けつけられ、キューバ風に抱きしめ祝福してくれた。大使館の組織力、劇場のスタッフのバックアップ体制は素晴らしく、多くの人が「今年のアマデオロルダン劇場で最も心に残る公演」と評してくれた。

チューチョ、キューバの素晴らしいミュージシャン、
そして素晴らしい観客との出会い
忘れられないコンサートとなった

  

 

釣り糸をたれる人

ハバナ遠景

 2003年の公演実績はこちらをご覧下さい。 2003年公演実績

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